賞の趣旨

日本語の“かわいい”という概念が最近各方面で関心を集めるようになり、日本文化固有のものから飛び出して広く世界に向けて発信することを一つの旗印に掲げ、“かわいい”という感性価値を学術の対象として、3年前(2010年)に「かわいい人工物研究部会」が設立されました。

“かわいい”という感性価値は、主に日本を起源として発展していると考えられます。私たちの周りには、“かわいい”と感じるものがあふれ、それが経済効果に発展するまでに至り、その重要性は、日に日に高まってきております。さらに昨今では、日本にとどまらず、タイなどの東南アジアやフランスなどの欧米でも、その価値が認知されつつあります。

このように、“かわいい”という感性価値はファッション等をはじめとしたマーケティング効果にも影響を及ぼし、その範囲は拡大する傾向にあります。このような社会的背景に応えるために、優れたかわいいプロダクトを表彰して世に知らしめることは、感性工学研究の裾野の広さの実証と涵養を高めるためにも必要なことと思われます。

このような背景のもとに、日本感性工学会は、その社会的役割の一環として、「かわいい感性デザイン賞」を創設することに致しました。